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2023.11.01

ついぶ工房のロゴが新しくなります。

●新しいロゴについて

ついぶ工房のロゴが新しくなります

2023年11月1日 この度、私たち“ついぶ工房”はロゴマークを刷新し、 これまで別々だった京都工房・東京工房・名古屋工房・川越工房のロゴマークを統一する運びとなりました。

1990年に京都でスタートしたついぶ工房は、多くの方に支えられながらコロナ禍真っ只中の2020年に創立30周年を迎えました。 これまで変わらないと感じていた日常や価値観が大きく変わっていく流れやインターネット上で完結できる便利な社会に変化している時代の中で、 改めて 「お客様に作っていただく」「自分の手で作る」という実際に作ることの価値や 「自分たちが受け継いできた技術を時代が変わっていく中でも次の世代に残していきたい」という想いを個人的にも強く認識しました。

現在ついぶ工房は本店の“ついぶ京都工房”から始まり 原宿表参道の“ついぶ東京工房” 名古屋新栄の“ついぶ名古屋工房” 埼玉川越の“ついぶ川越工房”と店舗がございます。

それぞれの地域で店舗の雰囲気が違うことや各地域に根差した工房を目指したいという考えもあったことから、これまで各地域の工房がそれぞれの地域に合わせて異なるロゴマークを使用していました。

それらを統一する今回のロゴ刷新は、 「自分の手で作ることに楽しさを感じて欲しい」 「伝統工芸の技術をつなげていきたい」という想いを それぞれの地域の工房単位でなくついぶ工房全体として再確認し、 気持ち新たにこれからも変わっていく日々に挑戦し続けたいという決意を表すものです。

▲新しいロゴに込めた想い

「ついぶ工房」という名前の由来については、何度かブログやパンフレットインスタグラムなどでもご紹介させていただいておりますが、もともと漢字で「鎚舞工房」と表記していました。 京都の飾り金具職人の家系から独立し、鎚舞工房を開設した代表の中村が禅語から着想を得た造語を金属工芸の作家名として活動しており、その名前が由来となっております。 そのついぶの元になった禅語は

“鉄鎚舞春風[てっつい しゅんぷうにまう]”

文字通り鉄のハンマーが春風に乗って舞っているという情景を表しています。

そもそも禅語とは日常を過ごし方や今の日々を考え直す際の禅の教えを説いた短い言葉のことを指しています。 もともとはインドや中国で先人からの教えをまとめたものが仏教として日本に伝来しました。 禅の教えというと小難しく感じるかもしれませんが、 「温故知新」や「有言実行」、「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」など 座右の銘に使われるようなよく知っている四字熟語だったり 「あぁなんとなく聞いたことあるなぁ」という言葉も実は禅語がもとになった言葉だったりと、意外と私たちの日常に浸透しています。 古くからのある考え方ですが、物事の考え方や捉え方の根本として今の時代でも忘れがちなハッとさせられる言葉も多くあります。 そんな日常を過ごす中での考え方のひとつひとつを言葉にしたものが禅語です。

ついぶの由来となった“鉄鎚舞春風”という言葉は 『重いとされる金づちが春風に舞うのはありえない、そういった常識に囚われてはいけない』 という教えです。 「金づちは重い」「春風では軽いものしか飛ばない」といった世間一般で常識と言われる考え方にも囚われずに日々過ごそうとすることで ありえない・できないと思ったことでも成し遂げることができるといった 現状をそしてこれからを変えるための考え方を教えてくれる言葉となっています。

代表の中村が考えている 『より多くの人に自分で何かを作るって楽しい、実際に手を動かすって面白いと感じて欲しい。』 『次の世代に金属工芸の技術を継承していき、金属工芸の世界をもっと盛り上げていきたい。』 『常識に囚われすぎず、難しいと言われていることや新しいことにチャレンジしていきたい。』 そういった想いと金属を造形するときに使う金づちが軽やかに舞うように自在に制作している様子と合わせて“鎚舞”と名づけられました。

今回のロゴの刷新にあたって、そんな“ついぶ”の由来となった禅の教えと古くから使われている日本のデザインの集約である家紋のかたちにまとめたものにしました。

■新しいロゴのかたちについて

ついぶ工房のロゴmの形に込めた想い

家紋は古くから使われていますが、今にも通ずるシンプルに簡略化されたデザインで日本らしいの美意識のかたちだと思っています。 幾何学的な形でシンプルながら、覚えやすく認識しやすい見た目とで、日本の国内だけでなく海外の企業やブランドでも国内外問わず広く取り入れられています。 そんな家紋から着想を得て、和の雰囲気も感じるようにいたしました。

真ん中のモチーフは古代の日本において漢語で書いてあった禅語を訳すときに使われていたというカタカナでついぶの“ツ”を 自然にあるものの全てのかたちとして表現された「●▲■」を使い、 棒状の材料から指輪になっていったり、一枚の板が花瓶になったり動物になったりなど 硬いとされている金属を様々なかたちに変化させていく金属工芸の面白さと ついぶの名前の由来から舞うようなハンマーを表現しました。

枠になっている内側の六角形は亀の甲羅やミツバチの巣など自然界にも多くある形の一つで長寿や繁栄などの縁起の良さだけでなく、ハニカム構造と言われるように無駄が少ない非常に丈夫な形をしています。 並べていくと隙間なく無駄なく縦にも横にもつながる六角形で一子伝来になりがちな職人の技術を閉じることなく縦にも横にも継承していきたいという想いを表しました。 そして一番の外の円形は指輪の輪をイメージしています。

ロゴマークの形の統一をしましたが、今回はあえて各地域の工房でカラーリングを分けて、各工房の識別性をあげつつ、地域やそれぞれの工房などが持つ雰囲気の違いやを楽しんでいただけるようにしました。

今ご覧いただいているついぶ京都工房のロゴカラーの“緑青(ろくしょう)色”は、古くから使われる金属で十円玉としてもなじみ深い銅が酸素に触れ経年変化などで出てくる錆の色合いです。 錆と言うと敬遠されがちですが、緑青があることで銅そのものは劣化しにくくなったり、鮮やかな色合いがデザインとしても好まれたりする緑青が、目線を変えると新しい見え方になること、ものごとを一片からのみで捉えない柔軟さを持つイメージで選びました。 またついぶ工房の運営会社である「東風美術工芸株式会社」の社名にも因んで、「東風」という新しい季節の訪れや新しい風向きの象徴である春風のイメージ、そういった部分からも青色のカラーを使用しました。

東京の明治神宮のそばにあるついぶの2店舗目の東京工房のカラーリングは彩度や温度感をあまり感じさせない “グレー” また東京の街は人も物も色とりどりの個性で溢れていますが、個性的などんな色を合わせてもスッと受け入れてくれるような、優しく街や空間、そして人に溶け合うグレーという色みのような工房を目指していきたいと考えています。

名古屋工房は「お客のご縁や私達とお客様とのご縁、その先へ繋がっていくだろうご縁を大事にしたい」 そんな想いを込めて、結ぶイメージから朱色をロゴカラーに選びました。 他のどの工房よりもお客様に寄り添いたい、技術力を高めて様々な気持ちに柔軟に対応したい、と考えて精進してまいります。

川越工房のロゴカラーは”モスグリーン” 名前の通り、苔色ともいわれる色合いは、深さもありながら柔らかな雰囲気もある黄みがかった深緑です。 <歴史残る小江戸・川越で、京都の伝統的な技術を受け継ぎつつ、苔の新芽のように柔らかく柔軟にチャレンジしたいという想いを込めたカラーリングにしました。

各工房のカラー由来と共に各工房の持つ異なる雰囲気も感じていただければと思います。

🔨おわりに

本日2023年11月1日から順次、新しいロゴに切り替えさせていただきます。 工房のロゴが変わっても、私達のお客様への「もっと手作りを楽しんでいただきたい」という想いは変わっていません。 これからも古きを学び、新たなことへ挑戦していきたいと思っております。

しばらくはこれまでのロゴと新しいロゴが併用となるかとは思いますが、 変わっていく“ついぶ工房”を応援いただければ嬉しいです。

新しくなった「ついぶ工房」のロゴをこれからどうぞよろしくお願いします!

*ついぶ工房の各店舗情報*
【ついぶ京都工房】
〒604-0944 京都府京都市中京区押小路通麩屋町東入橘町617
☎075-223-4122
💻tsuibu.com
Instagram:@tsuibukyoto
【ついぶ東京工房】
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-6-11ヴィラ・ハセ3F
☎03-3407-7397
💻tsuibutokyo.com
Instagram:@tsuibutokyo
【ついぶ名古屋工房】
〒461-0004 愛知県名古屋市東区葵1-21-18
☎052-508-7556
💻tsuibunagoya.com
Instagram:@tsuibunagoya
【ついぶ川越工房】
〒350-0043 埼玉県川越市新富町1-6-2-2F
☎049-277-5252
💻tsuibukawagoe.com
Instagram:@tsuibukawagoe